・「Gemma」の概要と特徴について知りたい
・GemmaとMeta社のLlama2との性能比較について知りたい
・Gemmaの実際の使用感や評価、利用結果について知りたい
今回は米GoogleのLLMモデルの「Gemma」について紹介します。これは米Googleによって2024/2/22、オープンに公開された生成AIのモデルです。
Googleという大企業が作ったモデルということで、そのブランド性に期待を寄せつつ試行利用してみました。
「オープンモデル」のため、モデルは公開していますが学習データや学習に用いたプログラムロジックなどは非公開です。ここが「オープンソース」と異なる点です。
まずはGemmaの概要を述べたうえで利用結果を以降でまとめています。
無料のAIモデル「Gemma」とは
Gemmaの特徴
「Gemma(ジェマ)」は米Googleが公開しているLLMモデルです。オープンということで無料かつ商用利用が可能です。以下が公式サイトでやはり「オープン」が売りであることを謳っています。
Geminiと同等の技術を搭載
Googleは「Gemini」というLLMを持っており、こちらはGoogleのシステムです。
これに対し、Gemmaは我々一般人でも使えるよう、Geminiと同じ技術を搭載しつつ、軽量のLLMとして利用できます。
あのLlama2をも上回るといわれるLLM
よく話題にあげられるLLMと言われればMeta社のLlama2です。これについて、計算能力やコーディング、日本語を比較した方がいます。
GemmaもLlama2も完全な出力はできなかったようですが、総合的にはGemmaのほうが上回っているようです。
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OllamaでGemma利用してみた(WSLのみ対応)
本章では実際にOllamaを利用してみたので紹介します。Ollamaのインストール方法は以下の通りです。
手順というより注意事項になりますが、Gemmaを使うにはOllamaを最新にアップデートする必要があります。最初分からなくて何度か「Error: error loading model・・・」というエラーに苦労しました。
ちなみにOllamaアップデートのコマンドは以下です(再インストールかな・・・)。
curl https://ollama.ai/install.sh | sh
実際に入れてみるととりあえず出力はできました。
試行結果のレビュー
本章ではGemmaを試行利用した結果のレビューをまとめました。
良かった点は以下です。
- 無料で商用利用が可能
- Google製という安心感
悪かった点は以下です。
- 出力がイマイチ
- 同じチャットに別の質問してもNG
良かった点1:無料での商用利用が可能
他の記事でも伝えてますが、まず無料で利用できないとこの調査の意味がないため、これは強みだと思っています。今回はOllamaからとってきてますが、モデル自体は以下からダウンロードできます。
良かった点2:Google製という安心感
これまで無料のLLMは世の中の万人が作ったものになりますが、なんといってもGemmaはGoogle製!大きな企業が作ったモデルだと安心できます。
機能的にコンプライアンスに抵触するチャットははじくようです。さすが企業目線!!ブランドイメージのことも考えたら、今後の利用が期待できるLLMだと感じました。
悪かった点1:出力がイマイチ
これについては賛否両論あると思いますが、私にはイマイチでした。
例えば「AIに関するブログを書いて」とGemmaにお願いしたら、なぜか構成案というかキーワードが出てきました。
ふつうこういう時はブログの内容のベースを書いてほしいもの。。。もう少し指示を書けばいいのかもしれませんが、要調査です。
前章ではLlama2より優れているとかなっていますがブログだと長文のためか、文章作成という観点で評価するのが難しかったです。
悪かった点2:同じチャットに別の質問してもNG
これどういうことかと言いますと、例えば「AIに関するブログを書いて」で答えを出した後、「ソリティアのプログラムを書いて」と出してみるとします。
しかしGemmaから来るのはAIに関する回答であり、ソリティア要素が全くありません。
これは不具合なのか仕様なのか、いずれにしても最初の質問ベースでしか回答を作ってくれません(というか全く同じ回答です)。別の質問するにはGemmaを起動しなおしたりと非常に効率悪いです。
これに関するネット上には情報がなく、試行利用して初めて分かりました。
まとめ
この記事では、GoogleのオープンなLLMモデル「Gemma」について紹介しました。Gemmaは無料で商用利用可能であり、信頼できるGoogleブランドから提供されるという点で特に注目されています。また、Gemmaは軽量でありながら、同社の別モデルGeminiと同等の技術を搭載しています。
いくつか検証を行った結果、Gemmaが提供するアウトプットの質や応答の柔軟性にはまだ改善の余地があるようですが、無償でありながら高いポテンシャルを秘めていることは明らかです。またコンプライアンスに配慮した機能を備えているため、安心感も感じます。
しかし、連続した別の質問については適切に対応できず、効率性に欠ける面も目立ちました。ユーザーは、新しい質問をするためにはGemmaを再起動するなどの追加の手間が必要かもしれません。
総じて、Gemmaはそのブランドや技術を考慮すれば今後の発展が大いに期待されるモデルですが、実際の利用シーンに適合するかどうかはユーザーによる検証と評価が必要でしょう。
参考文献
- Google – Gemma Open モデル(https://ai.google.dev/gemma)
- Google – Gemini(https://gemini.google.com/)
- Weel – 【Gemma】”Llama 2超え”と噂のGoogleのオープンソースLLMの性能を徹底比較してみた(https://weel.co.jp/media/gemma)
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