生成AIとは:基礎知識から事例、将来展望についての考察

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・生成AIがどのような技術か、またそれがどのように機能するかについての基礎知識から知りたい
・具体例を示すことで、生成AIが実際にどのような形で活用されているか知りたい
・生成AIの技術的な限界や課題を把握し、将来の展望やそれに向けた期待は何か

今回は生成AIに関するスタートラインを踏んだ形で紹介します。

ITの分野の一つとして「AI」が人間社会に与える影響は、避けがたい流れとなってきています。特に「生成AI」と呼ばれる技術はユニークな発展を遂げ、さまざまな分野でその可能性を広げています。この記事では、生成AIについて、その基礎から応用例、さらには現状の課題までを概観していくことにしましょう。

生成AIとは

学習済みのモデルが新しいものを生成

生成AI(Generative AI)は、ディープラーニングにより大量のデータを学習済みのモデルが新たなものを生み出すAIです。

従来のAIは正解のデータと間違ったデータを大量に学習して、文字や画像を認識するのに利用するのが主流でした。これに対し、生成AIは新しいものを生み出すという点が違います。

文字認識や画像認識に使われるAIであり、識別系AI(Discriminative AI)と呼びます。

生成AIは人間系で作るものをAIがある程度生成するツールとして期待が高まっています。例えば論文の執筆やプログラム作成などです。

もはや第4次AIブーム!?

「AI」という概念はアラン・チューリングによって提唱されました。

最初は、第1次AIブーム(1950-1980)として、迷路やパズルを解くなどの用途が決まったことを処理できたものの、コンピュータの性能が不足していました。第2次AIブーム(1980-1987)に専門家の知識やノウハウをコンピュータに記憶する「エキスパートシステム」が生まれましたが、人が大量に情報をつぎ込む必要がありました。第3次AIブーム(1993-2022)に「機械学習」、「ビッグデータ」、「ディープラーニング」の概念が生まれ、今のAI発展のベースとなっています。

そして昨今の「生成AI」もディープラーニングを軸としていますが、この概念は大手の企業が大量の資金投入でコンピュータの性能向上とAI技術者の集約によるものです。AIの権威である東京大学の松尾豊教授は「AIブームはもはや第4次に入った」ととらえています。

総務省などの提起にはなかったもののディープラーニングを応用して、第3次以前とは別の概念であり、第4次AIブームとみて差し支えない時代となりました。生成AIという存在はそれだけ大きな影響があるということです。

流行った経緯はChatGPT

前説でも述べたように生成AI自体は古くから研究されてました。その間にも一時的なAIブームはありましたが、今回ブームになったのは、やはりOpenAIのChatGPTからだといわれています。GPTは「Generative Pre-trained Transformer(生成可能な事前学習済み変換)」の略で、自然な受け答えができるチャットボットを意味しています。

大半の人がご存じの通り、ChatGPTに何か質問を投げるとそれに対する回答が来ます。大量のテキストデータから学習されたLLMという大規模言語モデルを搭載しています。

LLM(大規模言語モデル)について詳細はNRIの記事が参考になりました。こちらでも別途記事にできればと思っています。

以下はChatGPTの画面です。対話形式でいろいろなインプットを与えると動くようになります。

ChatGPTサンプル画面

ChatGPTが流行ったのは2022年とかなり最近のことですが、これまでの研究成果の蓄積が今につながっているとも言えます。またハードウェアの発達も関係しており、昔は高価でまともなAI環境ができなかったですが、今では安価でAI学習用の環境ができるようになっています。

生成AIは技術や環境の発展のたまものの一つではないでしょうか。

世の中の変化

生成AIの活用広くなっており、将来はAIが何かを作るということも多くなると思っています。

文章や画像をAIにまるなげ

デジタル技術の進歩とともに、私たちの生活は大きく変化しています。特に、生成AIの台頭はクリエイティブな作業にまで影響を及ぼしており、文章や画像制作といった分野でその力を見せつけています。

生成AIのテキスト生成能力は、ブログ記事やニュースレポート、マーケティングコンテンツから、小説や詩といった文芸作品まで、あらゆる種類の文書を作成します。ユーザーからの入力に基づいて、関連性、文脈に合わせた内容を生成するため、効率的かつ迅速に高品質なテキストを提供可能です。

画像制作においても、生成AIは革命をもたらしています。AIが学習した存在しない人物の肖像画や、ユーザーが描写したシナリオに基づく独創的なアートワークの作成を可能にする技術は、デザインやイラストレーションの分野で新たな可能性を定義しています。

これまで、良質なコンテンツを作るためには、才能豊かな作家やデザイナーによる時間と努力が必要でしたが、生成AIの支援を得ることで、それらのプロセスが加速し、労力が削減される可能性があるのです。AIは効果的な初期案を提供し、人間はフィードバックに基づいてそれを洗練させるという新しい協力の形が誕生しています。

プログラミングもAIに頼る時代がくるかも

AIによるコーディング支援ツールは既に開発者の間で使用されていることから、プログラミングプロセスがさらに効率化される日は遠くないでしょう。これらのAIツールはコードの自動生成にとどまらず、バグの予測、診断、修正も可能になりつつあります。もちろん、これはプログラマーの役割が完全に置き換わることを意味するわけではありませんが、プログラミングの性質は大きく変わるに違いありません。

AIが担うことができるプログラミングの領域は日々広がっています。初期段階では、再利用可能なコードの断片を生成するところから始まり、次第により複雑なロジックや関数、最終的には完整なアプリケーションやシステムの構築へと進展していくことでしょう。AIは大量のデータを元に学習を深め、最適なプログラミングパターンを見つけ出す能力を持っています。このため、人間が気づかないような効率的なソリューションを提供することが期待されています。

将来的には、AIによるプログラミングの完全自動化の可能性もあります。

回答の精度はまだまだ課題

回答の精度は完璧ではなく、生成AIにはまだ完全な創造性や感性を模倣できないという制限があります。

AIは学習データベースに基づいてパターンを認識し、それに従って新しいコンテンツを作成しますが、現時点ではまだ人間特有の感性や独創性を完全には代替できません。したがって、情感を込めた作品作りや、独自のスタイルを持ったアートの創出には、人間のアーティストが重要な役割を担っています。

またGPTはデータをリアルタイムに学習してモデル形成していないため、最新の情報が間違っている場合があります。例えば2023年すごく有名になったアニメであるアイドルの「星野アイ」をChatGPTがわからなかったりします。

ChatGPT失敗例

LLMの学習していない、未知のデータを補う方法としてRAG1が用いられることもあります。ただ無料で使えるGPT3.5にはRAGは搭載されていません。GPTが4の場合はRAGが搭載されており、この場合の質問がどう返ってくるのかというのもあります。

いずれにしても完全なAIまるなげとはいかず、生成された結果は各自が確認して修正する必要があります。

今後のAIに対する期待

前章で生成AIを利用すると人手による文章や画像の制作が緩和されることが期待されます。プログラミングに世界においても、システム開発のプロセスにAIによるスケルトン生成が組み込まれるなどの可能性も秘めています。

一方でAIはまだ人間特有の感性や独創性を完全には代替できません。結局は確率に基づいて動くので、誤った情報が入ってしまうことがあります。これについては人手でカバーしていく必要があり、まだまだAIが人間に追い付いていないことを示しています。

ただ未来において、AIがさらに高度化し、人間のクリエイティビティに近づく日が来るかもしれません。それまでの間、AIは後方支援として、我々の創造活動を支え、拡張する存在であり続けるでしょう。

まとめ

生成AI(Generative AI)は、ディープラーニング技術によって、大量のデータから学習して新しいコンテンツを作り出す技術です。従来のAIと異なり、単に認識するだけでなく、独自のテキスト、画像、コードなどを生成することが特徴です。OpenAIのChatGPTの登場によって、話題性と利便性が大きく高まりました。

生成AIは、記事作成や画像製作、プログラミングといった分野で活用され、クリエイティブな作業の手間を減らす助けとなっていますが、その精度や創造性はまだ人間のそれとは異なります。そのため、生成されたコンテンツには検証と微調整が必要です。

未来にはAIが人間のクリエイティビティに近づき、完全な自動化が可能になるかもしれませんが、現在は人間が最終チェックを行うことが不可欠です。AIの発展には技術的な限界や課題が存在しますが、その前途は明るく、新たなブームの波として、社会やビジネスに広がる影響が期待されています。

参考文献

  1. Retrieval Augment Generationの略で、生成AIが未知のデータを誤って創作しないよう(ハルシネーション(幻覚)、外部のデータを取り込んで補足する技術です。 ↩︎

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